ある日、国中に伝えられたお触れ。それは世界が大きな変革を迎えるということだった。世界の変革はそこにすむ人達に多かれ少なかれ影響を与えた。
それは、<斜陽亭>の住人達もまた、例外ではなく......。
「......モロクの影響なのかな」
冒険者証に表示されたお触れの内容を見、璃緒は小さく苦笑する。
「世界が変わるなら、そこに住む以上慣れなくちゃね」
彼が見ていたお触れの内容にはこう記されていた。
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阿修羅覇凰拳 : 使用後10秒間の精神力の回復が失くなる
点穴ー活ー、点穴ー反ー、点穴ー快ー : 使用対象が自分自身のみとなる
気功 : 必中効果がなくなる
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「紅騎、カタラ、生きてるー?」
ウンバラの診療所。診察室で冒険者証を食い入るように見つめているチャンピオンと修羅に璃緒は声をかけた。
「俺、しばらく立ち直れんわー......」
はぁぁ、と大きなため息とともに手近な机に突っ伏したのは修羅のカタラ。
「挑戦のしがいは上がったといや聞こえは良いが対策考えねぇとな......」
同じく腕を組み、考え込むのはチャンピオンの紅騎。
二人とも阿修羅型であり、今回の変革の煽りを食った形になる。
「阿修羅撃って回復剤で凌いでっつーのが出来なくなるからなぁ......。そういや璃緒」
「ん?」
ふと思い出したように紅騎は璃緒に視線を向ける。
「点穴もかなり酷いらしいが、大丈夫なのか?」
「ああ、うーん......」
苦笑する璃緒。
「人と出かけたときにすることが減ってしまうなーって......最初はショックだったんだけどね」
璃緒は点穴修羅。パーティーで出かければメンバーに点穴を付与するのが一つの楽しみになっていた。
「身弾に切り替えてみようと思ってる」
「身弾に?」
カタラが首を傾げる。
「うん、何度か考えてたことだし、点穴覚えたら次はそっちと思ってたし」
「身弾なぁ......」
「それに、俺は元々金剛だし、そこは崩れてないもの」
ニッコリ笑う璃緒。
「ある時は矛に。ある時は盾に。なんて考えたらそれも悪くないなー、って思っちゃった」
「おまえのアタマはホントお気楽だな......まあ、お前らしい」
紅騎はそう言って肩を竦めるが、表情は笑っていた。
まずは、変更点の一部だけしか網羅していません。すみません。
RR化が来てしまいまして。
修羅の変更点はまだまだいろいろあります......ハイ。
変更情報を見ながら思った一連の流れを勢いだけで小ネタにしてみました。